慶應義塾大学
世界最高水準の学習システムを構築するというミッション
実績紹介
2万人のアクティブユーザー
動画作成時間を90%短縮
課題
2020年のCOVID-19パンデミックにより、多くの教育機関が授業をオンラインに移行することを余儀なくされました。 慶應義塾大学も例外ではなく、春学期の授業のほとんどをライブ配信またはオンデマンドでオンラインで配信していました。 しかし、同大学は、ネットワークの制約や不慣れさによるライブ配信への影響を懸念し、オンデマンドコンテンツの準備や配信に必要なシステムも不足していたため、混乱が生じていました。
同大学は、対面学習と遠隔教育を組み合わせた新しいスタイルのハイブリッド教育を、大学の33,000人の学生の60%に提供する新しい大規模な学習環境の構築に着手しました。
ソリューション
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行する前は、慶應義塾大学の授業はすべてオンサイトで行われていました。 しかし、政府が日本初の緊急事態宣言を発令した直後の2020年春学期からは、オンライン授業が始まりました。
まず、講師がオンデマンド動画コンテンツをクラウドベースの共有サーバーにアップロードし、各動画ファイルへのリンクを作成し、それを学生に送信しました。 このアプローチでは、面倒で時間のかかるアップロードプロセス、学生の視聴と配信の帯域幅の問題、著作権と視聴アクセス制御など、多くの問題がありました。
インパクト
この最新の課題に対応した新たな学習環境を構築するために、大学は学習管理システム「Canvas」と、「Canvas」と統合した遠隔学習環境を実現する「Panopto」の導入を決定しました。
日吉キャンパスITセンターの今堀龍三郎は、「世界に通用する学習システムを作ろう」とプロジェクトの実行を急いだ。
「学習システムを導入したはいいが、それを統合するためのツールが適切でなければ、その価値を十分に引き出すことはできません。動画配信サービスには、海外の大学も含めて広く利用されており、動画作成機能に優れたPanoptoを採用しました。講師や学生向けに新システムの利用マニュアルを作成する際にもPanoptoを利用しましたが、作業は非常に簡単でした」と今堀氏は語ります。
当初課題となっていた教材の管理とストリーミングは、Panoptoと学習システムを連携させることで解決しました。PowerPointベースの動画教材を作成するために講師が行う手順は大幅に削減され、コロナ禍においても学習者中心の「反転授業」を効果的に展開することができました。
Panopto導入後の秋学期に行った学生へのアンケートでは、Canvas LMSとの連携により視聴履歴にアクセスしやすくなったことや、検索機能を使って動画を呼び出せるようになったことなど、利便性が向上したことが評価されました。これまでは、動画ファイルの作成に精通した講師のみが動画リソースを作成していましたが、Panoptoの導入により作業が簡単になったことで、より多くの講師がPanoptoを利用し、反転授業の増加につながることが期待されます。
外国語学科の学生にフレーズを発音する動画を提出してもらい、口の動きを見せることや、障害のある学生にバリアフリーを提供するために映像リソースを活用するなど、先進的なアイデアがたくさん出てきているそうです。また、学習システム「Canvas」と連携した「Panopto」の活用により、学生の自由研究や新発見をサポートしています。